『古代メソポタミア飯』古代文明好きに刺さりまくる本を見つけたので紹介する
目次
図書館をぶらぶらしていたら『古代メソポタミア飯〜ギルガメッシュ叙事詩と最古のレシピ』(遠藤雅司 著/大和書房)と言う本を見つけて、パラパラ見てみたところかなり面白そうなので早速借りて読んでみました。
メソポタミアって何?
メソポタミアというのは、今のイラン・イラク国境あたりのチグリス川とユーフラテス川に挟まれた地域のことで、古代文明が栄えた場所です。非常に高度な技術を持ち、天文学や数学に関しては今も学校で習うようなことが扱われていたそう。楔形文字という独自の文字を持ち、遺跡から発掘された「ギルガメッシュ叙事詩」は聖書の「ノアの方舟」に影響を与えたとされ、さまざまな分野でとても重要な意味を持つ文明です。
下にWikipediaの解説も載せておきます。
メソポタミア(ギリシャ語: Μεσοποταμία、ラテン文字転写: Mesopotamia、ギリシャ語で「複数の河の間」)は、チグリス川とユーフラテス川の間の沖積平野である。現在のイラクの一部にあたる。
世界最古の文明が発祥した地であり、メソポタミアに生まれた文明を古代メソポタミア文明と呼ぶ。文明初期の中心となったのは民族系統が不明のシュメール人である。シュメールの後も、アッカド、バビロニア、アッシリアなどに代表される国々が興亡を繰り返した。やがて周辺勢力の伸張とともに独立勢力としてのメソポタミアの地位は低下していき、紀元前4世紀、アレクサンドロス3世(大王)の遠征によってヘレニズムの世界の一部となった。
この本は「ギルガメッシュ叙事詩」を参照しながら、発掘された粘土板に残されたレシピを解読し、古代の料理を再現するというとんでもない本なのです。
この本のいいところは、ただレシピを再現するだけでなく、メソポタミア文明にまつわる豆知識や文字の読み取り方など、好奇心をくすぐるコラムが多く掲載されているところ。私もメソポタミア文明についてはある程度知識があるつもりでしたが、読んでみると知らなかったことや聞いたことのない面白い小話が豊富にあり、普通に読み物として読める内容の濃さでした。
また、この本はギルガメッシュ叙事詩についてもわかりやすく解説していて、事前知識がない人でもどんなストーリーなのか楽しみながら掴むことができます。
古代文明好きの人はもちろん、「聞いた事ないけどメソポタミアって何?」「学校で習ったけどもっと深掘りしてみたい!」という人まで、幅広い層におすすめできる一冊です。
肝心のレシピはどうなの?
レシピは古代の記録のものを忠実に再現してあります。見た目が古代っぽいと言うか、中東らしさ全開です。やっぱり乾燥地帯ですから、豆やスパイスが多く使われています。
一つ難点を挙げるとすれば、スパイスは日本のスーパーには売っていないマニアックなものがほとんどです。
一応入手方法も掲載されていますが、ほとんどは通販かスパイス専門店に行かないと手に入れることができません。アジアの島国と乾燥した中東地域では取れる作物も料理に使う調味料もかなり異なりますので仕方のない事ですが、材料を揃えるのに手間と費用がかかるというのが残念ですね。
ただ、再現度を気にしなければ代用品でできそうなものも中にはあるので、アレンジのしがいはあるかもしれません。
まとめ
今回は「古代メソポタミア飯」の紹介をしました。レシピ、叙事詩の解説、豆知識、デザインとどれをとってもクオリティが高く、非常に読みごたえのある一冊でした。
熱意のある方はぜひスパイスを購入して、古代のご馳走を味わってみてください。
おまけ
noteにて今回の本を装丁デザインの観点から語ってみました。
興味のある方は下のリンクからどうぞ!